塾頭の言葉
有終の美を飾るべく さらに奮励努力せよ
中国の古人は時の去り逝く姿を“未だ覚めず池塘春草の夢/階前の梧葉已に秋声”と七言絶句に詠じた。今年も余すところ30日余。しかも時は悠然として去る。そのなんと速いことぞ。誰も彼もが新年に際し、今年こそはという決意に燃えたにちがいない。この期に及びはたして諸君の決意はどの程度実行に移され実現されたことであろうか。
長い人生においては、決意や目標ばかりが先になり、その諸々のものがなかなか実行されにくいことは人の世の常であるとしても、勉学に励む諸君には最小限実行されなければならない学業の重要な達成目標があったにちがいない。
席次を上位にしてみよう、数学の評価を上げてみよう、苦手教科を克服してみよう等々。それが完全に実現された諸君はさらにその上の目標を設定し励むにちがいない。もしまだ目標が達成されていない諸君は、己の努力の怠慢を深く反省し、残された30日間にその目標実現の具体的プランをさらに立て直し、死にもの狂いに頑張らなくてはならない。
決意の実現は期間の長短ではない。かえって長い期間は空漠としたものであって緊張の持続が困難である。短期間においてこそ張り詰めた気分で臨めばその内容は濃く目標の実現は近くに存在するものである。「初めよければ半ば良し」という言葉がある。私は「終わり良ければ全て良し」といいたいのだ。
3年生諸君には、内申点に重大な影響を及ぼす学年末テストが目前に控えている。たとえ過去において最高の結果を得たとしてもこのテストをしくじると取り返しのつかない結果を招くことを知るべきである。
諸君が目標を貫徹し、有終の美を飾るべく、更に一層奮励努力することを期待して止まない。
“迷わず進め 道は必ず開ける”
Where there is a will, there is a way.
2023年12月 塾頭 桃原 喜信